第1章=冒険へのガイダンス

はじめまして。

著者のサイトにアクセスしてくださって、どうもありがとうございます。

第1章では、このサイトの利用方法を説明します。ガイダンスなので、まだ練習問題はありません。国語力のトレーニングは第2章から始まりますので、お楽しみに。

 1 誰だって難しい文章を読めるようになる

この本では、読解力を「文章から情報を取り出すことのできる力(12ページ)」だ、と定義しています。

これはべつに難しいことでもなんでもありません。ようするに「ある文章が読みにくいとは、その文章から情報を取り出しにくいという意味なんだよ」、という言っているだけです。

ですから、情報を取り出しにくくしている原因を見つけ、それに合った対策を立てることができれば、「難しい文章だってスラスラ読めるようになる」はずです。

 

情報を取り出しにくくしている原因は、もちろん一つとは限りません。ですから対策もそれに応じて立てることになります。

文章がごちゃごちゃして複雑なときは、シンプルな形にすれば情報を取り出しやすくなりますし、同じく文章が長すぎるときは、短く切ればスムーズに読むことができます。また、抽象的であいまいな文章なら、具体的で明快な言葉に言いかえれば、ああそうかだったのかと納得しやすくなるでしょう。

 

この本に書かれたことは、すべて文章を「単純に、短く、具体的に」する技術だと言うことができます。それは「技術」である以上、それなりの努力を惜しまなければ、誰にでもマスターできるものです。

 

2 すべての知識は誰に対しても開かれている

誰でも読解技術を身につけられるのだとしたら、文章に書かれた知識は「みんなのものだ」と言うことができます。それが上に書いた「すべての知識は誰に対しても開かれている」ということの意味です。

 

それはごくシンプルな事実で、知識は読み手の学歴も、年齢も、性別も、生まれも育ちも、肌の色さえも、いっさい問題にしません。きちんとした方法論、正確な技術さえ身につければ、私たちは少なくともその「知識」を手にとって、自分で確かめることができるようになります。

 

もちろん、こう言ったからといって、「この本を読んだらどんな本でも読めるようになるんですね?(キラキラ)」とか、そういう安直な期待はしないで下さい。この本は、みなさんが自分で考えることが出来るようになるための、ちょっとしたお手伝いをするに過ぎません。

 

そうですね、国語の学習を冒険ゲームにたとえるなら、著者(イシハラ)はせいぜい「導師」や「老師」のような存在だと言えるでしょう。術の使い方と困難の乗り切り方は教えることができますが、実際にその術を使いこなし敵を打ち負かすのは、この本(あるいはこのサイト)を読んでいるみなさん一人ひとりなんです。

 

3 トレーニングの進め方

まず、各章に基本となる練習問題を5~10題ほどアップしておきます。各章をざっと読み終えたら、まずは力試しのつもりで解いてみてください。「習うより、慣れろ」、で進めましょう。

この練習問題ですが、あまり多すぎてもやる気をそがれてしまいますし、少なすぎても練習不足になるでしょう。ですから、最初は本に書かれたことを身につけられる程度の量にとどめておくことにしました。

一通り解いて解説を読み終わったら、各章の内容をちゃんと理解できたかどうか、ぜひふだん読む文章で確かめてみてください。そして、まだうまく使いこなせないようだと感じたら、また『一生使える国語力』に戻って、説明を読んでみましょう。このくり返しが、最初のうちは大切なんです。

 

もちろん、このサイトにある問題・解説の量で誰にとっても十分なものだとは、筆者も考えてはいません。そこで、せっかくインターネットという双方向のメディアを使っているわけですから、これを読んでくださった皆さんのリクエストを最大限取り入れて、リアルタイムでサイトを成長させていきたいと思っています。わかりにくいと感じた部分や、もっと説明や練習問題がほしいと思った部分があったら、筆者宛に遠慮なくメールしてください。個別にお返事を差し上げることはできませんが、必ずすべてのメールに目を通し、サイトに反映するよう努力します。

 

筆者のメールアドレスは各章最後に記してあります。リクエストは、そちらからどうぞ。

ishihara@genbun.jp